Amazonカスタマーのレビュー
・チョムスキーによる壮大な学問体系の導入
チョムスキーの難解な体系をある程度以上理解するためには必読の書。
むろんとうてい易しいとはいえない内容で、言語学以外の幅広い分野にまで内容は及んでいる。しかし真に生成文法という壮大な体系を理解するためには本書はさけて通れない。じっくりと時間をかけてひもとき、理解していくことが望まれる。
訳者の注だけでも大変読み応えがあり、普段生成文法に非常に批判的な先生の口からも「絶対いい本だ」と言わせた名著である。
・知的刺激にあふれる一冊。
収録されている2つのインタビューの何れからも、言語学者チョムスキーの透徹した知性と理性が伝わってくる。自然言語の本質を解明しようとする遥かな企てにあらためて圧倒され触発される。訳者による序説での明晰な解説の助けを借りてインタビューを読み進めていくと、生成文法理論が擁している根本的な問題意識、理論の展開を後押ししてきた判断、これからの展望、隣接諸分野との関わりが俯瞰でき、爽快感さえ感じる。読後、心地よい興奮が残り、巻末の文献リストをたよりに、知的探索をさらに続けたくなった。
・ひとことで言って、お薦めの一冊。
20年の時を隔てて行われた2つのインタヴューを通し、その創始者であるチョムスキー氏自身により語られる生成文法の「現在・過去・未来」。知的興奮をおおいに呼び起こされます。誕生から半世紀近くたつ生成文法はその発展の過程において何が変わり何が変わらなかったかを理解し、現在の生成文法研究のベクトルがどちらを向いているのかを知るのにこれほど適当な本は寡聞にして知りません。また、インタヴューの内容は言語学に限定されることなく周辺諸科学(数学・物理学・生物学・脳科学・経済学など)におよんでおり、言語学に興味をもつ方だけでなく、それらに興味のある方にも是非ご一読をお薦めしたい一冊です。また、訳者(うち一人は2つ目のインタヴューのインタヴュアー)による「序説」は収録されているインタヴューへの適切なイントロとなっているだけでなく、生成文法理論の簡潔・明快な解説として独立に読むにも値します。
・言語に興味ある人は、ぜひ一読を。
本書は、言語学者チョムスキーの二つのインタビュー(20年ほど前のものと2002年に行われたもの)を収録しているが、いわば生成文法理論の発展の歴史を、訳者による自然な日本語を通して、体感することができる。展開されている議論は、生成文法理論の技術的な問題から、他の自然科学との関わりまで多岐にわたり、どれも知的好奇心を満たしてくれるものばかりである。さらに訳者による「序説」の存在も忘れてはならない。生成文法理論の基本的な理念・論点が、これほど明確に書かれている日本語の解説は、他に類を見ないのではないだろうか。言語に興味あるものにとって、まさに必読の書と言えよう。
・知的シャワーの爽快さ―訳者による序説だけでも買う価値あり!
9.11以降政治活動家として日本でも広く知られるようになったチョムスキーの、言語学者としての側面に焦点を当てたインタヴュー集である。まず訳者による序説は必読である。チョムスキーの提唱する言語理論である生成文法理論に関して書かれた解説で(さらに言えばさまざまな科学の諸理論の数多くの解説の中でも)これほどまでにわかりやすくかつこれほどまでに知的興奮を喚起してくれる文章は、私には他にあまり思い浮かばない。これを読むためだけでも、十分に買う価値がある一冊と言えるだろう。本文は20年ほど前のインタヴューと、最新のインタヴューを併録しているが、チョムスキーの20年前の発言が少しも古びていない(つまりそれだけ首尾一貫しており、何十年も先を見据えている)ことにまず驚かされる。そしてインタヴューというものの成否の半分は、インタヴュアーの力量にかかっていることを再認識させられる。幅広い識見と深い洞察に裏付けられた質問が引き出す縦横無尽の議論は、当時のヨーロッパにおける理論言語学の第一人者であるヴァン=リームズダイク博士等と、現在の日本における理論言語学の第一人者である福井直樹氏等という、考えうる最高のインタヴュアーならではであり、興味がつきない。特に後半の最新インタヴューがこれだけ知的刺激溢れるものとなったのは、言語学のみならず生物学、数学、物理学、経済学等、学問領域を自在に飛び越えるチョムスキーの知的活動に対応するだけの力量をそなえた数少ない日本人である福井直樹氏をインタヴュアーに得たおかげと言えよう。訳者の深く広範な知識はそのきわめてなめらかな訳の裏にも隠されている。知的シャワーの爽快さを存分に味わわせてくれる一冊である。「自然科学としての言語学―生成文法とは何か」(大修館書店)に収録された福井氏による「ノーム・チョムスキー小論」も併せてご一読をお勧めしたい。