・ハーニャの庭で
五歳の娘が、どいかやさんの絵本が大好きなので購入しました。
寝る前、毎日のように読んであげています。
絵がとてもきれいで、お話もすてきです。
私も気に入っていますが、珍しく夫にも好評でした。
・大人の人でも
4歳の娘の誕生日プレゼントにと購入しました。
絵本は図書館で借りてたくさん読んでいるのですが、絵がきれいなものや何度も読み返したいものを買うようにしています。
「どい かや」さんの絵本は絵がかわいらしく、お話も分かりやすいので娘もお気に入りです。
この本は特によく描き込まれていて、小さく隠れている動物達を探したりするのでじっくり読めます。
庭の中の生き物や自然の移ろいが感じられる素敵な絵本だと思います。
・本の綴じ方が…
どいかやさんの本は数冊持っていますが、どの作品も色使いやタッチがやさしく、
登場する生き物も可愛く、ホンワカと癒されます。
本書『ハーニャの庭で』は眺めているだけで森林浴をしたような気分になります。
いつか、どいかやさんの作品の原画を見ることができたら…と思いますが、
本書では特にそう思いました。
というのは、ページの真ん中部分(綴じてある部分)に隠れて
絵の中央部分が見えないからです。
真ん中で綴じるのではなく片方で綴じる形の絵本なら
絵の全体を見ることが出来たのでは…?
本当は☆5つなんですが、そこが残念で4つです。
・ハーニャの庭のできごと、12ヵ月
ちいさな庭で、めぐる季節の静かないとなみ。
ねこのハーニャが住むちいさな家のちいさな庭で、必然ともいえる
命のいとなみが、実にていねいに描きこまれていきます。
美しいパステル画が、目も心も和ませてくれます。
必要不可欠な分量の、添え書きみたいな文章が、絵を引き立て、
絵に引き立てられる。ほんの短い文に書かれたことが、そのまま絵のなかに
存在しています。
どんなにちいさな生きものも、できごとも。
雪の上のあしあと、てんとうむし、つぐみ、みみず、桜の芽、蝶に蜂、夏みかんの
収穫……全て、書いては読むかたの楽しみがなくなりますね。
わたしの家、わたしの庭。でも、「山のとちゅうのちいさな家」の庭は、
ちいさなちいさな生きものたちとともになりたっています。
ともに生きるということを、ハーニャのおかあさんはやさしい言葉で伝えています。
穏やかなのに、それぞれの命のいとなみがきっぱりと描かれている秀作です。
・目で味わう飲み易い自然のジュース
500冊以上も絵本のレビューを書き続けているせいか、本を手にとっただけで
中身はともかくとして、読後にどんな感想を自分が抱くかが、おおよそ
判ってしまったりする。本書の場合もそうだった。
自然の美しさ、動物たちの可愛らしさに魅了されて、そんな絵について
レビューで触れるんだろうなあ と。
一方で、予想通りの行動をするのも、ちょっとつまらないなあと思いもした。
…ということを考えるボクでも、やっぱり書かざるを得ないのは
なんて自然が美しく、動物たちが可愛いんだろう ってこと。
(回りくどいですね。要は褒めているわけです)
舞台は山に囲まれた小さな家の小さな庭。小さくても大自然の一部で
1年12ヶ月を通してみれば 実に色々なことが起ります。
それらをネコのハーニャの視点を通して、繊細なタッチで穏やかに描かれています。
「可愛いでしょう きれいでしょう どうよ?」といった
押しつけがましさはなく、かといって
「自然破壊はよくないよ」とか「自然の掟はきびしいぞ」といった
メッセージじみたことも表立って出てこない。
「ほら、こんなところに動物が隠れているわよ。みつけなさい」という
ゲームじみた余計な演出もない。
だから、ちょうどいいのだ。
自分のペースで ぼーっと絵をながめていられる。
そして、いつの間にか絵の中の庭を散歩し、ふと動物たちに出会ったりできるのだ。
実はかなり凝っている画面構成も見逃せないところ。
心に自然のビタミンを与えてくれる作品。
日常の喧騒に蝕まれている方はぜひどうぞ。