Amazonカスタマーのレビュー
・あぱぱ踊り
町田康の作品「パンク侍、斬られて候」読んで面白いな、
と思い、「告白」を読んで町田ファンになっていた。
いずれも長編ですが、本書は短編集となっています。
収録されている「あぱぱ踊り」「本音街」なんかは面白
かったです。
町田康の作品は、日常における些細な不条理を合理的解釈
しようと折り合いを付けるが結局破綻しちゃったみたいな
印象を受けるものが多く、本作品でも自分の心の動きとして
こんなことあるあるといったシーンが書かれているように
思いました。
町田康風に日記を書いたら面白いかな。
・自分を、毎日を振り返らせてくれる作品群
町田康の作品はそんなに読んでいないのですが、この短篇集を読んで、こんなにも強烈な個性を持った作家だったのかと改めて再認識しました。
そこから繰り出されてくる文章は、何の修飾もなく直接的に伝わってくるものです。例えその表現が「PUNK」であろうとも、そのアイロニーがシニカルであろうとも、胸にどんと来ます。それは、日頃私たちが出来るだけ内にしまっておこうとしているものが、表面に取り出されてしまうからかも知れません。
「犬死」「どぶさらえ」「あぱぱ踊り」「本音街」「ギャオスの話」「一言主の神」「自分の群像」の7編のどの作品をとっても、なにがしかのものを気付かされてしまいます。日頃、忘れていたこと、忘れようとしていたことを気付かされるのです。
個人的には、サラリーマンなだけに「自分の群像」が一番気に入りました。
そこに登場する様々な人々は、まさに「サラリーマン」です。確かに、デフォルメはされているのですが、「こんな奴確かにいるよな」と、それぞれを見て思います。確かに、こんな毎日だよなと思います。
楽しいと言うのとはちょっと違うのですが、強烈に自分を、毎日を振り返らせてくれる作品群です。
・心の奥にあった澱みたいなのが曝け出されて
短編7本。いずれも読後感が悪い、それにしても攻撃的、心がざらざらする。
いつものユーモアと偏執的な描写が削ぎ取られているぶん、
心に突き刺さってくる。
帯の背表紙キャッチ、「さらにPUNK!」は、
最近のパンクブームに便乗して若年層を狙ったものか、
「だっせえなあ」と思ったんだけど、
あながち間違いじゃないかもしれない。
心の奥にあった澱みたいなのが曝け出されて、
自分も攻撃的になること請け合い。
読み終わったあとに、
とんと聞いてなかったCOMESの「NO−SIDE」を聞いてしまいました。
すっきりしました。
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