・なんであのロボットが?
なんて書いたらいいのやら……。
この本の裏表紙を見て、既視感がある方、元ネタが判る方は何をいまさら、と
思われたんじゃないかなぁ、と考えたりします。これは現在、コミックの領域から
映像作家に転身された大友克洋さんの代表作の単行本のもじりなワケです。
で、内容もそういったものでしょうね。同人誌なんだから、しょうがないか。
この巻はゲシヒトを追い詰めていく内容で、ゲシヒト狩りを楽しめます。
だけどねぇ、ゲシヒトを狂言回しとしても使っているこの作品の構成上、
この作者の力量から考えるとミスなんじゃないかと考えるわけです。
というわけで次巻からは構成が微妙に変わります。むしろゲシヒトが
いなくなって、スッキリしてくる所もあるので、結果オーライかも。
でも、今までの構成と作風に魅力を感じて読み続けてきた人たちはどうなるのか?
いまはこういうことをしても読者は妄信的に付いてくるいい時代なので
良いんでしょうけど、ねぇ……。
手塚さんはそういう読者の反応に対して、一番苦しんで苦心してきた作家です。
それに対して、ねぇ……。
ところで、あのロボット、わざわざ運んできたのでしょうか? それとも、
プルートゥの付属品だったりして。とにかく、やり過ぎで白けました。
・泣けます,泣けます
原作を知らないからこそ,ワクワクするのだろうけれども,ここから,原作を想像するのもまた面白い。
泣けます,泣けます。ゲジヒトまで・・・
・いよいよPLUTOの影をつかむか、ケジヒト
この感覚は何だろう。ロボットこそが人命を尊重し、人間がその原則から離れて行く。PLUTOは当然ながら史上最強のロボット。そのロボットが悲しみと怒りという感情に染まっていたら、人類とロボット達の未来はどうなる。
そんな本気の心配をさせてくれる浦沢アトム。
ケジヒトがPLUTOの影に迫る、そんな6巻。この感覚はMONSTERに近いか。
浦沢さんも、ラララ科学〜の子、のお一人かもしれません。
未来を拓くその筆(ペン?)にこれからも期待。
この巻を読み終えら、そう、綾波に会いたくなる方も多いのでは?
・ゲジヒトの苦悩が切ない
待望の第6巻。ロボット刑事、ゲジヒトの苦悩が切ない。ロボットに仮託しているが、人を憎むということ、これは人間の苦悩なのだろう。極めて人間的な。
連載も読んでいるけど、やはり単行本化されて一気に読むのが楽しい。
・命と命をつなぐ役回り
原作ではロボットが殺されても(壊されても)周りは淡々としていたが,リメイク版では同じような場面で重い空気を感じた。ロボット達にも特別な感情があるのだろうか。
何というか,原作よりずっと人間らしいロボットが動き回っているのがリメイク版だと思う。だから“命”にも重さを感じさせるような気が・・・。
現在の社会に必要なことが書き加えられていると思う。現代は,「怒り」という感情を人に ぶつけてばかりで,自分で自分をコントロールすることができない人が多い。自殺や殺人などの急増。この社会は命を畏怖するという心を失いかけているのだ。
かつて人間は命と命をつなぐ存在であった。そう,かつては。そしてロボットが人間に取って代わり,世代を超える存在になろうとしているのかも知れない。そうなると,命と命をつなぐという考え方はもうこの世界に必要のない考えとなっているのかもしれない。
だから,アトム,いやPLUTOも命と命をつなぐという事を取り戻す役回りを務めているのではないのだろうか。