・答えなき問いかけを是とするか不是とするか
本書の読後感を一言で言い表せば”霧は深まるばかり”といったところか
本書の価値を考えてみると、人間は全て私という自分自身を通して現実を間接的に考えるあるいは感じることしかできず現実を知り得ることは不可能であり故に仮想の中に生きていることの自覚を問い直すということであるように私は捉えた
但し、本書は壮大な問いかけであることは評価に値するべきと思うものの、著者に未だ通底する芯が感じられず故に一貫性に欠けるところが残念に思う
小林秀雄氏を主として引用が多いが、引用を咀嚼した上で著者自身の主張、考えを述べるべきものが引用が主となり著者が従であって振り回されている感を受けた
とはいえ冒頭の「サンタクロースは存在するか」から始まる問いかけは本書のタイトルである『脳と仮想』に対する着眼としては面白く、多作が悪いとはいわないが近年失礼ながら粗製乱造の感がある著者からすれば骨太な内容を期待させるものであった
それだけにわからないことがわかるという狙いがあるのかどうかは知らないが、煙に巻くような内容に終始しているように読後感ぜられた本書は惜しいというか少々残念に感じてしまう
物質主義的な科学の限界については私も同感だが、本書のように一巻にまとめあげるのであれば一貫性をもった主張を脱線を交えつつとも展開してほしかった
冒頭の着眼の良さから一読に値するようには思うが読後の霧の深さを是とする書ならカントやデカルトといった哲学書の方が古くとも風雪に耐えた趣きを感ぜることだろう
・読み応えのある本です
脳科学の知識を持ち合わせない私にとっては非常に難解な本ではありましたが、一方で大変読み応えのある本でした。
わからないことを一生懸命理解しようと読めば、それを裏切らない、しっかりとした内容のある本です。しかし、中途半端な気持ちでテレビに出ている茂木健一郎のイメージで、あるいは『脳を活かす勉強法』のような軽い本だと思って本著を読もうとするのならばお薦めはしません。
ライトなハウツー本を読みすぎて思考回路が停止しつつあることに危機感を持っていて、かつ、哲学的な内容の本を、著者と対話するかのように読んでみたい方にお薦めしたい本です。
今回、丸一日かけて一気に読みきりましたが、きっと著者の言わんとするところの半分も理解できていないと思います。何年か後に、また読み返してみたいと思います。
・結局何が言いたいのか・・・?
茂木氏の著作をいくつか読みましたが、毎回、何が言いたいのかがわかりません。
本書も、同じことを繰り返して言うばかりで、途中で投げ出しました。
少女がサンタクロースについてつぶやいたことから啓示を受けたとのことですが、
ご本人の思い込みの強さのわりに、その直感の鋭さが伝わってきません。
漠然とした独り言がだらだらと続く・・・残念ですが、そんな印象の本です。
・既読感に満ちた書
本を読んでいる間、常にデジャビュならぬ既読感を持ち続けました。
どこかで読んだことのある思想を、もう一度とても分りやすいかたちで
文章にしている本です。オリジナリティがまるで感じられない。
仮想からいきなり魂になる持っていき方もよく分らない。
著者のものを考えるきっかけとなったらしいエピソードも、ひどく嘘っぽい感じ。
テレビのバラエティ番組でタレントに混じって出演している著者を見てびっくりしましたが、あんなものにも出るんですか、といっても、仮想論ですらすら説明されて、こちらのものを見る目を批判されそうです。でもねぇ。
・学者としの論証ゼロの情けなさ
ただのおしゃべりのうまいオッサン。脳学者と自称しているらしいが、学者としの論証ゼロの情けなさ。