・暗号技術を簡単に理解できる名著
本書はフェルマー最終定理などで有名なサイモン・シンによる暗号解読に関する歴史を
記述した本です。
本書は暗号に関する人類の歴史をわかりやすく解説しています。
一言でいうと非常に面白いです。
本書を一読するだけで暗号に関する知識が身に付きます。
私はIT関連の仕事をしていますが、現在セキュリティが重要になっている中で
暗号化の理解は非常に重要です。
セキュリティを専門にしていなくいても、暗号化の基本は理解しておく非常があります。
本書を読めば、前提知識なしに暗号化に仕組みについて理解できます。
しかも、物語になっていますので、面白く読んでいると読み終わったあとに知らずに
知識が身に付いているという感じです。
暗号化について知りたい人はまずこれを読みましょう。
文庫版なので価格も安くておすすめです。
・暗号の軍事利用から平和利用へ
下巻では,まず古代文字の解読に始まって,少数部族の言葉を暗号として使うという話が出てきます.確かに知らない言葉はそれこそ暗号です.そして,公開鍵暗号から量子暗号へと話が進みますが,いずれも難しい話をやさしく解説してあります.すばらしい.
暗号というと文字通り暗いイメージがあり,一般人の生活とはあまり関係ない感じがしますが,実は暗号技術があってこそ今のインターネットの世界が成り立っているのです.
原作では,著者から読者に向けて暗号解読の懸賞問題が掲載されていました.この文庫本が出版された時点では,これらは既に解読されていたのですが,この「史上最強の暗号」とその解答も収録されていますので,こちらもお見逃しなく.
・物足りないところもあるが
面白いです
もう少し掘り下げて欲しいところも若干ありますが
星が4なのは
ヒエログリフ解読について
教科書でもお馴染みのフランスのシャンポリオンがイギリスのヤングという物理から言語学まで幅広く研究好きな医者の発表した論文を基にヒエログリフを解読したと強く主張している点
情報通信が全く行き届いてないフランス革命直後の混乱期の大陸にいるシャンポリオンがイギリスで発表された論文に目を通す可能性は低く、また、読んだという証拠はない
しかし、シャンポリオンは解読に成功している
史実をちゃんと踏まえ主張して欲しい
・その場に居合わせたかのような臨場感で読ませる暗号の歴史
歴史のさまざまな場面で決定的な役割を果たし、現代情報化社会の根幹を支えている暗号技術とその解読について、詳細かつ非常に分かりやすく書かれています。
内容の詳しい紹介は他のレビューに譲りますが、今まで関心のなかった事柄が一冊の本をきっかけに、二度と無関心ではいられなくなるそんな体験ができる一冊です。
現時点で無敵の公開鍵暗号を葬り去り情報化社会の根底を破壊しうる量子コンピュータと、原理的に解読不可能な量子暗号は、
私たちが生きている間に実用化されるのでしょうか、そしてその後の世界はどんな姿になるのでしょうか。
暗号の歴史はまさに現在進行形なのです。
・暗号の善と悪
暗号解読(下)の白眉は 現代社会における暗号の善悪のせめぎあいを描いた部分だ。
ネットは完全に社会のインフラとなった。情報流通の「早さ」と「量」と「質」が飛躍的に進歩した現代において もはやネットが無いことは考えられない。もちろん 将来的にはネットが 発展解消的に新しいものに生れ変わるとは思うが 情報社会の高度化という 大きな流れにはなんら変わりはないはずだ。
その時代に「暗号」がいかに重要なものになったかを本書は描く。
暗号は戦争から始まった。戦争に不可欠な暗号が 僕らの日常のネット生活に不可欠になったということは とりもなおさず 僕らの日常が「戦場化」したことを意味している。
僕らが何気なく行っているネット上での「買い物」や「やりとり」が「戦場」で行われていることは 最近の各種の詐欺を見ていればわかる。
更に言うなら 各種テロもネット抜きには語れない時代だ。今目の前に見ている このPCこそが 戦場への「入口」といっても良いのかもしれない。
その時代に僕らは「暗号」で自分をプロテクトする。自分をプロテクト出来る点で暗号は「善」だ。但し 犯罪者が自分をプロテクトしつつ 犯罪を犯すとしたら 暗号は「悪」なのかもしれない。そうして この「善悪」に関しては 余りに色々な判断が可能なだけに 現段階では結論が出ていないということなのだと思う。
暗号はずいぶん遠いところまで来てしまったということだと思う。暗号の持つ人間臭さは 誰もがなんらかの形で「暗号」を使っているからだ。「交換日記」で符号を作った甘酸っぱい記憶がある方も多いのだと思う。
暗号という一つの「人間の所作」から見えてくるものの 驚くべき「深い淵」ということが本書の読み応えだ。
はっきりしていることは 僕らは既に恐ろしいくらいに「暗号」に依存しているということだ。