・医療の世界は、本著のように単純ではない。様々な思惑が・・・。西洋医学は科学的を目指していますが・・・。この話題は難しいのです!
この著書を読んでも、或る代替医療は、化学的医薬品ほど作用が強くないし、その効果を数学的に統計処理するのは難しいでしょう。代替医療の是非について明言できる人はいないであろうし。医療が科学的に確立していると思う人が専門家にいるであろうか〜。厚生省が認可した医薬品でさえ、科学的根拠が十分とは言えないものもある。それは、臨床データから理解できます。
代替医療に頼らざるを得ない人も多い。最終的に問題は”人“に帰着するということでしょう・・・代替医療を受けたい人、施す人、評価する人、揶揄・批判する人・・・命と金をも含んだ複雑な思惑が渦巻くのが人間の医療の世界です。臨床現場で働くものとして、それを痛感させられます。
ナイーヴ(単純)な読み方をなされないように!
・代替医療の是非を問う好著である。しかし、本著の様な性急な明言は、読者に誤解を与えかねない。
この本は読む人により判断が異なるだろう。医学、薬学等の医療関係者、研究者、また、その領域に詳しい物理学他の研究者も、本著を興味深く読むには違いないが、本著の性急な裁きが正しいと確固たる同意ができる方はいないでしょう。本著に賛同するものは、若き初学者が多い筈です。ここで記述されている事柄は、数十年前から多くの研究者などによって科学的な立場から実践的研究が有能な医者、研究者等によってなされています。現在の科学的なアプローチだけでは多種に及ぶ代替医療を全否定できない。プラセボ効果だけに還元するのはショートカットでしょう。医療の問題は人間の思惑が渦巻く複雑な世界です。科学的アプローチをとる西洋医学による医療でも?なものは多い。現在でも広く“伝統的療法”として受け入れられているものをプラセボ効果に繰り込み可能であろうか?私は、現在のところ、繰り込み不可能であると思う。科学は全能ではなく、そのアプローチから生まれた複雑系の研究は始まったばかりである。医学、医療の対象は複雑な人間の身体だけではない。
物理学、哲学、精神医学等を知る者にとって、この本の興味深き箇所は“各療法の歴史”が物語のように詳細に記述されているところで、とても楽しめた。著者たちの明言は、著者たちの主張ですからそれでいい、それが私と違ったからといって何の問題もありません。それが読書をするということでしょう?
しかし、本著の記述こそが正しいのだ・・・なんて単連結に思い込むのはどうでしょうか。
本著には“各療法の歴史”のように興味深い箇所があり、お薦め。
・鍼も灸も指圧も
まず最初にお断りしておくが、本著作は、代替医療を
叩きのめそうとして書かれたものではない。
代替医療を「検証」すべく書かれたものである。
代替医療とは、簡単に言うと、怪しげな治療法のことである。
世に、怪しげな治療で儲けとしているヤツは、ニセ医者
エセ宗教家、マルチ商法と数多いが、この本によれば、
鍼灸、カイロ、指圧、その他諸々も代替医療だという。
西洋医学が治療しえぬので、代わりに行われている治療
という字義通りの意味ならそういうことかもしれないが
「あやしげな」と言うニュアンスが入るとすると、
これは驚きである。
本著作は、鍼について、
プラセボ効果以外の何も見られないと、
完膚無きまでに否定する。
中国八千年の歴史、鍼を刺す行為に伴う若干の痛み
WHOのお墨付き、体験談、等々。プラセボ効果を
発揮するには、鍼は絶妙な位置にある。
しかし、プラセボ効果があるのなら、
それでも治療にはなるのではないかと言う判断についても
理論的な反論をきちんと用意している。
労作である。
ところで、日本では、次の疾病に対し健康保険で、
鍼灸治療をすることが認められている。
神経痛 リウマチ 頚腕症候群 五十肩 腰痛症 頸椎捻挫後遺症。
効かない治療に、みんなが納めた
健康保険慮を使うのはまずいという意見もあるが
どういうもんだろうね。
ちなみに私は腰痛で、保険は使わず、鍼灸、指圧を受けている。
効く気がするけどなあ。
それに治療院は近所のお年寄りのサロンになっていてその面でも役立ってるしなあ。
でも、他の目的に健康保険が使用されてはならないのは自明であろう
・そうですね。
納得する部分はほとんどなのですが
データがない=効果がないという風な論調の部分は調べて欲しかったりします。
あと、西洋医学が良いのはわかるけれど、治療法とか副作用とかもひっくるめて紹介して欲しいかな。
材料に汚染の可能性があるからダメとかちょと笑いそうになりました。
西洋医学を頼り、薬漬けにされ、チューブだらけの病院のベットの上で親をなくしたものとしてはプラシボ程度だの気休めだのいわれても、どちらでも治らないとは分かっていても、本人がどっちが苦しんだかなと考えると正直、西洋医学を選んだのが正解だったのかわかりません。
・これは科学軽視に対する怒りの書だ!
私自身、医薬品の開発に携わっていたので(効果ではなく安全性評価の方ですが)、「フェルマーの最終定理」、「暗号解読」のサイモン・シンが代替医療を取り上げた本書を大変期待を持って読み進めました。常々不満に思っていた科学軽視の風潮に対して厳しく問題提起しており、個人的には満足のいく内容でした。不適切でしょうが、ホメオパシーと呼ばれる代替医療の章では、あまりの荒唐無稽ぶりに何度も大笑いしてしまったくらいです。もちろん笑い事ではなく、日本はともかく、欧米ではこの療法が大手を振って医療現場に食い込んでいる現状を知って暗澹たる気分になったのですが…
ただ、これまでのサイモン・シンの著作のような内容を期待している方々だと、かなり違和感を感じることと思います。
以前の著作に共通するドラマティックな人間描写は影を潜めており、構成も一本調子な感じでスリリングな展開がないです。
また、専門外の読者への配慮なのか、具体的データの提示がない点もやや不満に思いました(一部でもよいから、治療効果やプラセボ効果の統計解析データを見せれば説得力が上がったのでは)。例えば、にせの薬(プラセボ)に効果が20%以上あっても驚くことではなかったりしますし、プラセボ効果は副作用に関してもあり、臨床試験に対する不安などから、まったく害のない偽薬を処方されたグループであっても、かなりの人が体調の不良を訴えたりします(汗)
本書で繰り返し語られている科学的なものの考え方の重要性は医療だけにとどまらないのは当然です。ところが何故かその恩恵にどっぷりと浴している人々が、一方で科学を誤解し、軽視あるいは蔑視して中世の迷信と変わらないものに血道をあげているのは由々しき事態だと思います。現代はまだ迷妄の時代進行中なのでしょうか。本書のような啓蒙の書はいくらあっても足りない…