・現在もとても活躍されています。
訳者のあとがきには、2006年のトリノオリンピックのエピソードが書かれています。
その同じ年の10月に、娘さんが誘拐され、救出される、という事件も起こっています。
しかし、その後も活動を続けられ、2009年にはTimeの100 most influential peopleの
Heroes & Iconsという分野の20人の中で選ばれています。この分野ではオバマ大統領のミシェル
夫人とか、タイガーウッズなんかも選ばれています。
来日して講演などもされている様ですね。
レクイエム―ヴェトナム・カンボジア・ラオスの戦場に散った報道カメラマン遺作集
という写真集に、カンボジア内戦で、三人の少女が捕まり、その周りをニヤニヤ笑いながら
男たちが取り囲み、その後、彼女たちが暴行され、殺された、というキャプションがついていて、
この写真の中でも最も人間の暗いところを映しているような写真が載っているのですが、
この本を読んだら思い出しました。
本に書いてあるようなひどい状況から、自尊心を取り戻し現在の活動にどうつながって
いるのか?そこが知りたいし、それがカンボジアの社会にも必要だと思うのですが、
まだ私には分かりません。カンボジアの状況が良くなることを期待したいです。
・これを読んで東南アジアを支援したいと思いました
著者自らの体験に基づいて、
カンボジアにおける人身売買の実態を如実に綴ったノンフィクション。
カンボジアなどの東南アジアでは、
わずか10歳にも満たない少女が、
売春宿に売られてしまうという。
著者自身も、幼い頃に見知らぬ爺さんに売られ、
過酷な労働に従事させられ、
見知らぬ男と結婚をさせられ、
さらに夫が亡くなると売春宿に売られたという。
信じられないようなひどい話だが、
東南アジアではさほど珍しいことではないのだという。
著者は白人男性と結婚したことにより、
泥沼の生活から脱出することに成功する。
そして、自身の経験を活かし、
売られてしまった少女たちを救済する活動を展開している。
こんなにつらい目にあっても一所懸命に生きている人がいるんだと思うと、
感慨深い気がします。
僕も東南アジアの少女たちを支援したいと思うようになりました。
・子供達への性的搾取について
これまでの子供達への性的搾取についての本は客観的に見て流すように書かれていた。だから読み手も悲惨さは余り伝わってこない物が多かった。だがこの本は作者の実体験のもとに綴られているので内容は衝撃だった。この本を、子供を買いに行く世界中の全ての人に読んでほしい。それでもまだ買いに行きたいのなら早く精神科を訪れ、カウンセリングを受けるべきだ。
この本には貧困から生み出されるものとは何か?
暴力が支配する社会とはどの様に人々の心を病み、蝕んで行くか、作者の心の叫びと共に描かれている。
・日本だって、他人事ではない
カンボジアで起きた出来事と哀れんでいる場合ではないと思う。
カンボジアはポルポトがそれまでの価値観を徹底的に叩き壊してしまった。
著者も書いているように、それまでのカンボジアは親が子供を強姦したり、売り飛ばしたり
するような国ではなかった。
日本もバブル崩壊後、著しく、人々の道徳観や倫理観が減退している。
日本がカンボジアのようにならないと断言はできないはず。
・知ることから始まる
前半は著者の少女時代の原体験、後半は人身売買を根絶するための活動が記されている。
少女時代の体験は、すさまじい。物心つかないうちに斡旋宿に売られ、何のためにそこにいるのかも理解できないでいる少女を待っていたのは性的暴行、虐待の日常。鎖につながれるというのだ。逃げても逃げても追い戻される。使い回され、使えなくなったら捨てられる。少女たちは生きる気力を失い、逃げることすら諦める。そこに人間としての尊厳は全くない。
自分とそう違わない年齢の著者の体験には、身につまされる思いで本当に辛かった。と同時に、現在までの精力的な活動に尊敬の念を覚えた。
著者の強いメッセージを一人でも多くの人に受け止めてほしい。