・スケールの大きさと潔さ
江戸での剣術修行期間が終了し、土佐に帰った竜馬。
地方では勤王の志士たちが倒幕の意志を持ち始める中、竜馬は己が何を為すべきか(「自分にふさわしい天命はないものか、と」)惑いながら日々を送る。
薩長土の三藩密約の実現が難航する中、土佐勤王党を率いる武市半平太が遂にクーデターを敢行。
時を同じくして、竜馬は土佐を見限り、様々な犠牲と協力のもとに脱藩。(齢26?)
遂に竜が狭い土佐から日本の大海原に飛び出した…。
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同じ土佐出身で目的は同じながら、武市と竜馬は見ているものが全く違う。
多くの志士が時勢に流され、体面に拘る中で(そう感じた)、竜馬は細かいところは度外視して、物事を大雑把に、言い換えれば本質をズバリと捉え、加えて、自分がその中で何を為すべきか、を考え実行できる人物であったことが描かれている。
参政(家老)を斬ることは出来ても殿様を斬ることは考えも及ばない、藩論を倒幕へ一本化したい武市と、藩体制を崩すことを考え始める竜馬(と久坂玄瑞)のスケールと思考の「タガ」の違いだ。
この点、下手に教育熱心でない竜馬の柔軟な思考が強みであり魅力でもある。
また、江戸留学において北辰一刀流の免許皆伝を得、土佐はもちろん方々で剣客としての名を高めたほどの腕を持ちながら
「剣術なんてものは、しょせん、これだけのものさ。(中略)こんなものの勝負に百年明け暮れていても、世も国も善くはならないよ。」
「おれは剣客ではない。志士じゃぞ。」
と言える、時勢を捉える目と、過去にしがみつかない潔さ。
もちろんこれらは史実ではなく、資料から司馬遼太郎が読み解き描いた人物像であることをお忘れなきよう。
竜が解き放たれ、時代はさらに回ってゆく。
狂狂(くるくる)と・・・ねw
・英雄か。
本書は、井伊大老暗殺後、ふつふつと湧き上がる攘夷の思いが
各地の志士たちへ飛び火し、尊王攘夷とし沸騰する、風雲前後の話です。
翻り現在、行き過ぎた自由主義経済が破綻をきたし、
危機的事態が発生。
その後の余波、進むべき道も見えず、不穏な時代に入り、
日本の未来、行く末など心配になる。
しかし、竜馬という男の生きた時代、
彼らの歩んだ道、生き様に、
たくさんの勇気、誇り、元気、思いを貰える。
本書は、江戸への旅立ち後、
竜馬は、進むべき道を模索している。
まだ序曲であるが、面白くなるあたりと思える。
欧の革命に比べ、明治維新は遅れている、などいえない、
気概、思い、情念が侍達にはあった。
身分制度を作り未来永劫、家督で人の生き方を決める体制に
NOを突き付け、幾多の屍を築き、結果とし幕府を瓦解させ、
維新を起こす原動力となった竜馬、共に戦った志士、浪人達、
竜馬を支え、周りにいた女性達、様々な人々なども魅力的である。
世界にも類を見ない、英雄であり、その人柄に思いを馳せ、星5の推薦。
・見事に描かれた龍馬青春編
龍馬が江戸で剣術の技を研き、次第に頭角をあらわす。ついには千葉道場の塾頭にまで上り詰め、土佐へ戻る。父親の手紙を持ち続け、ついには志を果す。見事に描かれる龍馬の青年編。
・Cool!
英語にするならこう言うのが適切かと思いますねぇ。
初めて読んだのは19の時でした。
何度も読み返している訳ではないですが、読書嫌いだった私が、一気に読み込んだのはこれが初めてでした。
単なる歴史を解説するものではなく、剣術が披露されながらのこういった読み物は大好きです。
竜馬の志の大きさは皆さん知っての通りかと思いますが、彼の自然体が凡人の私には感動を与えてくれたと思っています。
司馬遼太郎さんにも感謝したい。
・チャンバラが魅力の一つ
まだ二巻を読んだだけだが、『坂の上の雲』と比べて物語のテンポが良く、非常に読みやすい。この時代は風雲の時代だったから、そして竜馬の人生そのものが波乱そのものだったからと言えばそれまでだが、私は随所に散りばめられているチャンバラが本書の良好なテンポの要因の一つだと考えている。漫画や映画で言うアクションシーンが豊富であり、誰でも楽しみながら読み進めることができ、かつ、竜馬についての知識を貯えることができる。ここら辺に本書の人気の秘密があるのではないかと思う。