・「大麻は麻薬である」という「神話」
「大麻=麻薬」という、「常識」に対する本書の反論は、以下のようにまとめることができます。
@麻薬が禁止されるのは、それが、身体に有害な作用を持つ化学成分を含むから。
A大麻の場合、一口に「大麻」と言っても幾つかの種類があり、そもそも「身体に有害な化学成分」がほとんど含まれていない種類もある。
Bまた、大麻に含まれる「身体に有害な化学成分」が身体・精神に及ぼす影響は、他の麻薬(コカイン、覚醒剤、ヘロイン等)は言うに及ばず、お酒やタバコに比べても低い。
C従って、大麻は、「麻薬」という事はできない。
本書の論理構成は、極めて明快で、かつ、説得的です。
となると、Bの観点からは、大麻の使用、所持などを、刑罰を以て禁止することの合理性に疑問が出てきますし(お酒やタバコのように、未成年の間だけ禁止するという方法もある)、
仮に、刑事的取り締まりを認めるにしても、Aの観点からは、「全ての大麻」を一律に取り締まりの対象にしているという点で、
現行の大麻取締法は、もはや、憲法違反と言うべきではないでしょうか。
・そもそも大麻事件って何?(笑)
単に植物の種類である「麻」と、しびれるという意味の「痲」。
本書ではこの二つの漢字がしっかりと区別され、いわゆるドラッグの類は「痲薬」と表記されている。
本文の最初の1〜2行でそのことに触れているあたり、この筆者はわかってるなと思った(笑)
日本において、縄文時代から昭和初期まで連綿と続いてきた大麻文化、そして戦後のGHQ介入。大麻取締法の成立。
そして、現在加熱しているマスコミによる偏った報道と、それを鵜呑みにして踊らされる国民。
大麻とは何か? に始まり、これからの日本は大麻をどう扱えばよいかについて、科学者らしい分析と結論を導き出している。
もし外国人に、「なぜ日本ではこんなに大麻が厳しいの?」と訊かれたら、何と答えますか?
その答えが本書にあります。
・これまでで最も判り易い論旨展開
これまで、リサイクルや地球温暖化問題で、重要な提起をし続けて来た武田先生の今回のテーマは、「大麻」...はて?
原子力や材料工学がご専門だった筈の先生がなんでまた? 昨今のゲーノージンの大麻騒ぎに便乗した商業本か!? ...いやいや、そうではありません。
まず、題材そのものは、実は先生のご研究と密接に関わっている、十数年来の研究・調査結果にもとづいて著された本なのです。
しかも、俗説や「大本営発表」を覆しつつ、単なる破壊には終わらず、科学的な方法論でもって、建設的前向きに問題解決を進めるという根本姿勢は、これまでと同じです。
また、論旨展開も、これまでの十数冊の武田先生の本の中で、一番扇情性が薄い、といいましょうか、とにかく、読者を置いてきぼりにしないで、ゆっくり階段を一段ずつのぼっていくような感じで、読んでいてこれほどお腹にスッキリ入って来た本は、近年あまりありませんでした。
本書を最後まで読んでもなお、大麻はマヤクだから撲滅せよ、だとか、昨今のテレビのワイドショーの傾向を苦々しく思わない人が居るとしたら、....ちょっと、そっちの方が困りものですね。
それにしても、「大麻」について、薄い新書でこれほどの真実を明らかにできるとは! 武田先生に脱帽です。
・学校の図書館に5冊は置いて欲しい。
大麻関連のニュースのコメントを見る度に多くの日本人はなんて無知で馬鹿で単純で浅はかなんだろうといつも思う。
このような大麻に否定的なコメントを書く人に是非この本を読んで欲しい。100冊くらい買って周りの人にばら撒きたい。
内容の焦点は大麻だが、それは本質的な『思考』という観点の重要性を伝えるための一つのツールとして使用しているところもさすがと思う。科学者としてすばらしいです。
マスコミの垂れ流す表面的で根拠の無い内容で『大麻は悪』と思い込んでいるような人達全てがこの本を読めば、日本も少しは考える人が増えるのではないでしょうか?
大麻吸引を推奨している訳ではないことは読めば分かります。
『あの人がこう言うから』とか、『法律がこうだから』とか、『今までこうだったから』というような考えでは良いものは生まれません。
政権交代を国民が選んだことで少しは良い方向へ向かっていると信じたいです。
これからの日本を作っていくのは自分達なんだという、政治や法への『参加』の意欲が沸いてくるような素晴らしい本です。
小学校、中学校、高校、大学などの図書館に5冊は置いて欲しい。
個人的には年配の方々や今まで“まじめ(一般的に考えられる)”に生きてきた方にお読み頂きたい。
『あたなは働くために生きているのですか?』という問いかけをされたら、ふと気付く何かがあるはずです。
・これ以上無いくらいわかりすい!素晴らしい一冊だと思います。
『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』シリーズで有名な武田さんですが、本書のテーマは大麻です。
「大麻なんていけません!」という意見も、「大麻ぐらい良いじゃん!」という意見も、正確な知識に基づいたものでなければ時間の無駄ですが、本書は大麻を主に歴史的・科学的に見ることによって大麻に関する正確な知識を私たちに提供してくれています。
サブタイトルは「思考停止になる日本人」であり、著者が『環境問題〜』シリーズや本書を通して言いたいことは、マスメディアから得る情報や偏見・先入観によって思考停止しないで欲しいということだと思います。
実際に本書を読めば、少なくとも大麻に対する偏見・先入観はなくなります。それも、とても簡単に。これ以上無いくらいわかりやすい文章です。
最終的な著者の意見に全面的に賛成するかどうかは別にして、大麻に関する知識はこれ一冊で相当頭に詰め込むことができます。
大麻反対派にも、賛成派にも、これから知りたい人にも、みーんなにオススメです。