Amazonカスタマーのレビュー
・深いようで浅いオタク与太話
BSマンガ夜話でおなじみの著者が、いつもの与太話を述べています。いわゆるオタクの薀蓄を衒学的にすすめているのですが、やや素材を薄めすぎた印象です。同じことの繰り返しが多くて、オタクでも年寄りの武勇伝風です。主張は明確で学問的な深さが漂うのですが、その割に実証性に乏しく、牽強付会の感があります。学問的に意味のある、すばらしい本、などと思わず、ただただオタクの与太話として楽しむのが吉。
オタクたるもの、役に立つ知識など求めてはいけませんからね。
・時間つぶしや話のネタにはピッタリ
マンガやアニメでよく出てくるフレーズ「世界征服」を
本当に実現できるかを黙々と考える一冊。
世界征服という言葉には夢が感じられるが
実際問題として考えるとその方法やメリット、定義など
確かに改めて問われるとあやふやな部分が多々あることがわかる。
もちろん実際悪事を働くことについて考えるわけではなく、
どちらかというと「空想科学読本」にも近いノリで
無意味な内容を誰かと討論している雰囲気。
しかし、世界征服を真面目に考えることで
現在の社会の仕組みがよくわかり、勉強になる。
このあたりは社会の勉強として中高生が読んでも面白いと思う。
文章は読みやすく、短時間でもサクサクと読み進められるので
時間つぶしや話のネタにはピッタリ。
・傑作!!!
これは面白かったです。
「空想科学読本」をまた違った切り口にしたような面白さです。
科学の視点ではなく、政治学・社会学など複数の視点で世界征服を論じた本ってとこですかね。
・これ最高
この本はとても面白い。べたべただが冗談も面白い。少しだけ同じ事を繰り返している部分があるため、文章に変更の余地が残されているかもしれないが、そこまで問題ではないであろう。読みやすい文体で内容も軽いので数時間で読めてしまうのも嬉しいところだ。前半部分のアニメや特撮に出てくる悪役に関する部分も、とても面白いのであるが、個人的には最後のまとめの章がとても気に入った。
私は社会の階層化の成り立ちを研究テーマにしているため、昨今の独裁者=悪者という安易な結びつきにとても違和感を覚えていた。確かに考古学者の間では「蓄財者」モデルと呼ばれるモデルも知られている。これによれば社会のリーダーと呼ばれる人は野心をむき出しにし、余剰としての財を蓄積した者がいつの間にかリーダーになったことにより社会の階層化がすすんだというモデルである。このモデルは興味深いが大きな欠点があると私は考えている。その理由は蓄財することに意義を感じない社会で野心家がなぜ財を蓄えようとするのかということである。蓄財者理論と言うものは、現代社会に生きるわれわれが、我々の価値観で作り出した幻想に過ぎないのではないか?このような幻想は、現代の議論のいたるところに存在する。カースト制度は悪の制度。階級社会は前近代的社会。などなど。
アニメや特撮に出てくる悪の秘密結社からスターウォーズの悪の帝国まで悪い奴らはいろいろ出てきた。しかし、これらの社会は本当に悪者だったのか?答えは否である。フランス革命以降、自由を持つことが至上の幸福とされた。自由のためには階級社会という超えられない壁は排除するべきだ。自由を脅かす権力は排除するべきだ。そのようなイデオロギーが今もなおハリウッド映画などで垂れ流されている。しかし上流階級という人たちも、単純に下層階級の人たちから摂取しているわけではない。上流階級の人たちもまた強く縛られた社会を生きている。上流階級を羨む気持ちは、下層階級の妬みに過ぎないのではないか。そのような事を考えると、この本の最終章は、自由と平等だけを声高に叫んで思考停止に至っているサヨク系の人たちの本では到達できない地点を示しているように思われる。一読する価値は大いにあると思う。
・「支配」=統治は、苦行であり報われない
岡田氏は、「世界征服」は可能か?と問う形を借りながら、「世界征服」は必要か? 実務としての「世界征服」へ至る工程を提示する。
1958年生まれの岡田氏は、同世代あるいは同質の情報に接した氏と前後する世代に、『仮面ライダー』『レインボーマン』『バビル二世』....『北斗の剣』と次々と事例を投げかけ、団体運営実務、プロジェクト遂行実務....統治実務と想定される乗り越えべき課題の在処を示し、「秘密結社の力による世界征服」の困難性を解き明かす。
岡田氏は、最後に価値観の転換による世界の作り変えの可能性を提示する。その世界の入り口として、本書が構想されたものと思われる。
密かに世界征服を狙う貴方のための一冊です。