Amazonカスタマーのレビュー
・歴史を見る目が変わります。
NHKの「爆問学問」に著者(上智大学教授)が出演しているのを見て、興味を持ち購入。
聞きなれない歴史人口学の初級者向き解説書。
縄文時代に2万人であった日本の人口は、今や1億2千万を超えている。
世界に目を向ければ、67億人!である。
天然痘やペスト、噴火や小氷河期や飢饉や戦争を乗り越えてきた、その生命力の凄さに驚く。
そして、この増加した人類は今後どうなってしまうのでしょうか…?
・歴史人口学、少子化問題のわかりやすい入門書
本書は歴史人口学さらには少子化問題のとても分かりやすい入門書だ。まず前半では、増加と停滞を繰り返してきた日本の人口推移を振り返り、どのような要因によって人口が増減するのかを素人にもわかりやすく解説しながら、日本の歴史を通して、縄文文化、水稲耕作化、経済社会化、工業化の4つの人口増加の波動があったことを明らかにする。そして後半では、明治以降の工業化がどのように影響して人口を増加させてきたのか、またどんな要因が働いて、現在問題になっている少子化・人口減少の局面が現れたのかについて説明した後、最後に日本および世界の今後の人口推移を予想する。
特に納得したのは、先進国でも国によって少子化の傾向が違う点についての説明だ。工業化にともない農村を離れた人々が都市に集まり核家族を作った際、前近代に大家族(日本の直系親子が同居するイエ制度や南欧・東欧の兄弟夫婦も同居する合同家族など)が一般的だった社会では、男女間の役割分担が旧態依然のままでかつ、同居家族からの子育て支援が得られなくなったため、女性労働力率が高くなると出生率が下がっていった。対して古くから核家族が多かった北海沿岸地域では、コミュニティや国からの核家族への育児支援が早くから機能し、現在では女性労働力率が高くなるほど出生率が上がる傾向にあるという。そこから、日本がとるべき少子化問題への対策が、ジェンダー間の役割分担意識を変えていく努力と、子育てを支援する社会制度の整備にあるということがよく理解できた。
・地球の将来は明るいのか?
なかなか怖い本です。何が怖いかと言うと、日本を含む地球の将来が怖いのです。
日本の場合での最大人口は
縄文システム 26万人
水稲農耕化システム 700万人
経済社会化システム 3200万人
工業化システム 12778万人
だと推定している。種々な資料を用いた論理的な計算、また歴史に基づく感染症の発生や温度変化に基づく飢饉や不作、社会体制の中における出産率や死亡率および寿命の変遷。
そして現在の少子高齢化。身近な日本で今後どのような人口動態を示して行くのか、自分の子どもあるいは孫やひ孫の時代に起こる変化はどうしても明るいものとは思えないのが率直な感想である。
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