・「わたしのしそこねた事をうんとして下さい。わたしの出会いそこねた人をうんと大切にして下さい」
本書は『夕凪の街 桜の国』で知られる漫画家・こうの史代氏が漫画アクション誌上(04年12月2日号〜06年5月2日号)に発表した作品である。
事故で妻に先立たれた初老の主人公・奥田参平が息子夫婦との同居生活の中で妻・おつうが遺してくれた生活レシピのノート『奥田家の記録』を頼りに専業主夫として失敗を重ねながらも孤軍奮闘する日々を送る内容となっている。
今回も前作同様、参平と息子・詩郎家族や奥田家に関わる人材派遣の女性・仙川イオリ、そのうえ詩郎の妻・礼花の両親が登場し、さらには成長した十年後の孫娘・乃菜や亡き妻・おつうまで(注:参平の妄想)が出現するなどより豊かな挿話が満載である。
個人的には、変質的な電話の応対する乃菜に代わって再び掛かってきた電話を取り、「おれは昔ながらの水色タテジマじゃあ!パンツの柄が知りたきゃ、おのれから正々堂々と言わんかい!!!」と啖呵を切ってまくしたてた所、電話相手が仙川さんである事を知り赤面する挿話(第20話)や仙川さんとのデートで行く先々で福引やら記念品などが当たり、荷物を抱えて辛そうにしている参平に少し休みましょうと伝えた仙川さんに「今日は…あたるぞ。慎重に決めなさい」と言った先が偶然にもラブホテルの前である事から仙川さんにビンタされる挿話(第27話)、実家に帰った礼花を参平が連れ戻しに来た際、礼花の両親の言葉がわからない事を打ち明けた参平にショックを覚える礼花の表情(第32話)に爆笑した。
礼花や仙川イオリにしてもそうだが、こうの史代氏の描く女性はどこか日本人情緒のある美しい佇まいを持たせたひとつひとつの仕草に魅力を感じる(特に仙川さんの着物姿はよかった)。
最後に参平の夢に現れた妻・おつうが参平に伝えた言葉は大変よかった。
「わたしのしそこねた事をうんとして下さい。わたしの出会いそこねた人をうんと大切にして下さい」
・ほんわりします
1巻も合わせて購入しました。「じじい」が主人公の話ですが取り囲む家族たちとの何とも言えない日常的な、等身大の空気というか雰囲気にホッと心が癒され、そっと背中を押してもらえる素敵な本です。宝物の本になりました。
・主人公に惚れちゃいそう
こんなに魅力的な主人公ってなかなか出逢えません。
最近の漫画はじっくり読むには向いてないというかあっと言う間に読み終わってしまうものが多いのですがこの作品はコマの一つ一つにじっくり目を通したくなる魅力があります。
ずっと手元に置いておきたいです。
1巻でじーさんの魅力を見せ付けてくれた参平さんですが2巻では男としての魅力見せてくれます。
セクシーすぎてクラクラしちゃったわ
・参平の恋の行方は?
妻に先立たれた後、息子夫婦と孫娘のもとに身を寄せた奥田参平。妻が書き残してくれた家事指南書をもとに専業主夫となることを決意。そんな彼の日常をコミカルに描くマンガ『さんさん録 (1) (ACTION COMICS)』の続編。
娘ほどの年齢の仙川イオリという女性との間に参平のロマンスが芽生える様子が描かれていきます。
その淡い恋心は、成就しそうでしなさそうで…。なんとももどかしくもほほえましい進展ぶりです。年齢を感じさせない、むしろ小学生のように不器用な感情のやりとりに、こちらの心が妙にくすぐられる思いがします。
残念ながら、『さんさん録』はこの第2巻で終了してしまったようです。
続きが見たいという気持ちもしますが、参平の恋模様はこのちゅうぶらりんな状態で終わるのが一番素敵なのかもしれませんね。
・正月に50冊ほど漫画を読んでみたが、ぶっちぎりで一番面白かった
ユーモア、アイデア、登場人物への親近感、読中の幸福感、読後の何とも言えない味わい、つい再読してしまう中毒性、全てが際立っていますね。
年末年始に四コマを中心に数十冊買い込んでどっぷり漫画に浸ってみました。
相当やばくなってきた勤め先や自身の将来性からの現実逃避です。
とにかく漫画世界に没入できる面白い漫画を求めての、ひたすら漫画日和です。
ある程度選んで買っているわけですから、みな結構以上に面白かったです。
しかし、本作は頭一つ抜きん出ていました。
恐ろしいまでの日常的な世界にぐいぐい引き込まれ、笑わせられ考えさせられ、そしてふと現実の自分を鑑みさせられてしまいました。
CG全盛の時代の今、ペン画で「愛」という普遍的テーマをここまで「面白可笑しく」表現できる作家さんは外にいないのではないでしょうか。
それにしても、主人公の参平、セガレの詩郎、ヨメの礼花、孫の乃菜、ヨメのご両親、亡き妻おつうさん、そして仙川さん、登場人物が皆愛おしい。
20代後半以降(30代以降になってから読むとより楽しめるかもしれません)の漫画好きの方には、これは面白い!!と断言付きでお勧めいたします。
また読みたくなってきました。もう一回読もう。