・事実を知る貴重なルポ
デンマークの「児童性愛愛好者協会」にこっそり潜入した、ヤコブ・ビリングのルポ。
君は男の子が好き?女の子が好き?僕はどっちでもいけるんだ。年齢は11歳くらいがいいな…うんちょうどいいね、それ以上はダメだ…
まるで好きなセットメニューを選ぶかのような会話。
デンマークだけではなく、スウェーデン、インドへも飛ぶ。
まさかこんな子どもが性的に好きな人が多くいる事実のほかに、
それが世界各地のネットワークでとんでもない繋がりがあることが分かる。
別に彼らはなりたくてなったわけではないだろうし、その苦悩もあるんだろうけど、
被害を考えるととんでもないことだ。
日本人もアジアで買春が多いらしいニュースは見るけど…
際どい子どものDVDも、親が売り込みにくるのが現実らしいし。
・この取材によって出来上がった番組を見てみたい。
内容はある程度予想出来る物だった。
この辺りの実情に少しでもアンテナを伸ばしていた方なら、そこまで驚く内容ではないと感じた。
けれど、それは”情報”として知っているだけの事であって、この取材によって作られた番組を見、”現実感”を得ていたら感想は変わっていただろう。
所詮、文字媒体は文字媒体である。この取材によって出来上がった番組を見てみたい。
・児童性愛者の心理状態がよくわかります
最近、つとに日本国内でも幼女や少女がターゲットになった痛ましい事件があとを絶ちません。残酷な殺人事件として報道されたものは氷山の一角で、全世界のどこにでも、幼い少年少女を性の道具としている大人が沢山いるのだということを、初めて知りました。特に印象に残ったのは、その大人達が「あくまで、合意の上で、子供たちもそれを望んでいたのだ」と思い込んでいるところです。刑罰やカウンセリング療法などを施して、各国は対処しようとしているようですが、恐らく、根絶することは不可能なような気がします。今後、子どもたちが、そういった被害にあわないよう、良識ある大人たちが、防波堤をつくってゆくしかないのでしょうか。。。
・参考文献ではなく、記者の物語です。
詳細なデータや幼児性愛の歴史が記載されているわけではなく、
外国の記者が幼児性愛の会合に潜入しその姿を追うという
ドキュメントを小説のように綴られているだけなので、
児童性愛という病をデータの方向から知りたいと言う方には向きません。
しかし、それでも読み進めて行けばリアルな外国の幼児性愛者の現状・・
法的活動規制やポルノ収集、そして売春など・・
といった幼児性愛者の実情は知ることが出来ます。
しかし、幼児性愛というと偏見で凶悪殺人などを並べバッシングをする姿勢を
前提とし、自論だけを書き連ねている本も多いので
当事者の会合や活動、内心告白などが載せられている点は貴重だと思います。
・真実の姿を映す鏡
本書はあるジャーナリストの潜入取材の記録なので小難しい分析やら、理論は出て来ません。至って「ノーマル」な人間が「異常」性癖の持ち主達と接触して混乱していく様が描かれています。ペドファイル達の身勝手さ、おぞましさ、そして被害者である子供達の苦痛を目の当たりにした普通の人の普通の反応で本書は構成されています。またあくまで本書は問題提起にすぎず、何がしかの「答え」も出されていません。より多くの人がこの問題に関心を持ち、風化させない事が本書の目的である、とも言えます。異常性癖に「理解を示さない」側の人間が書いているので耳障りに思う向きもあるでしょうが、そういう方は鏡を見るつもりで読むとよろしいかと。