・管理・統制が重要と考えている方にも、モチベーションが重要と考えている方にもお勧めです。
著者の一人の金井壽宏博士の専門は、組織行動論ということで、組織におけるモチベーションなど人間に関わる分野の研究を専門とされています。金井博士による第2章では、この百年の経営管理の歴史は、「システムや仕組みの問題」に傾斜する時期と「人の問題」に傾斜する時期が交互に現れているという話しています。とても興味深い内容です。
そして、この本は、マネージメントをうまくおこなうためには、どちらに傾斜してもダメで、両方を融合させることが必要であるという内容です。(妥協するのではない)「管理する」と「任せる」を対立させるのではなく、融合させるのが「任せて任せず」(松下幸之助氏の有名な言葉)のマネージメントであり、この本には、その考え方と具体的な方法が載っています。
「任せて任せず」のマネージメントをするための方法の肝は、「例外による管理」と「目標による管理」です。しかし、この2つの方法も誤解されているために、過剰管理がなくならないのではと警鐘しています。
「例外による管理」とは、「例外が起きたときだけ最小限管理して、あとは任せる」ことなのに、「例外が発生しないように、四六時中管理する」ようになっていないでしょうか
「目標による管理」とは、「組織内の構成員が、目標を見据えて、自律的に活動できるようにする」ことなのに、「組織の構成員対して目標を分解して、各員を厳しく管理する」ための道具になっていないでしょうか
この本では、そうした誤解をなくして、過剰管理から抜け出すための、考え方と方法を具体的に紹介されています。
・マネージメントを成功させるには、管理・統制が重要と考えてる方
・マネージメントを成功させるには、モチベーションが重要と考えている方
どちらの方にも、お勧めいたします。是非、一読してみてください。
・TOCとCCPMのエッセンスを楽しみながら身に付ける
プロジェクトの問題が心配なあまりに心配菌がブラック心配菌になってしまって、部下に報告ばかりを求めた挙げ句、プロジェクトが問題だらけになってしまう。これが管理過剰だ。見える化なんてのも下手すると管理過剰の原因になる。
管理過剰は現場だけでなく、本社部門にもはびこって、現場を疲弊させるんじゃないかと思う。心配しすぎから来るのか、本人の性格なのか、仕事をする振りをするためなのかは知らないが。
本来、心配菌は無くてはならないもの。きしらまゆこさんの可愛い挿絵入りのCCPM解説本。それがこの管理過剰の処方箋だ。
CCPMのエッセンスと管理過剰を防ぐ方法を学ぶことができる非常に優れた本だ。
MBOについても触れていて、本来はプロジェクト毎に各管理項目を全員で共有することが目的の「目標による管理」なのに、目標管理と略されて個人の業績管理に利用するとおかしなことになる気がする。
・素人だけでODSCが導入できるのだろうか?
タイトルを見て、過剰管理の緩和に関しての解(処方箋)が日常業務でのヒントになるかと思い手に取りました。あまり中身を見ないで購入したのですが、開いてみるとマンガあり、イラストありと、「分かりやすく」「敷居を低く」した工夫はずいぶんとされていました。しかしながら処方箋として提示されたのは、ODSC(Objectives, Deliverables, Success Criteria)という手法だけでした。しかもそれが出てくるのが残り1/3くらい。今までが長い前置きのようで少しがっかりしました。
では、このODSCという手法が日常業務のヒントになるかといえばいささか疑問に思いました。まず、この手法は日常業務から分離されたプロジェクト・マネジメントに特化した手法で、そのような環境にある方でなければあまり参考にならないように思いました。実際著者の岸良氏が実施し、いろいろな組織で指導されているからか一見気軽に実行できるように見えますが、これを導入するには、初めはトレーナーなりコンサルタントがつきっきりで指導しながら進めなければ重要なプロジェクトに導入する事は難しいのではないでしょうか。また、考え抜かれた質問は、望ましい状況を作り出すことに直結しているということから、会議時に使用するパワフルな問いかけ集というものが付録でついていたのですが、ちょっと威圧的で日本語として違和感がありました。これこそ素人が台詞を言うように繰り返すとなんだかぎすぎすした会議になってしまうように思いました。
著者いわくプロジェクトの期間が25%短縮する例を挙げ、更にそれ以上の事例も世界に驚くほど報告されているとのことですがその割にあまり耳にしないのはやはり導入の困難さがあるからなのではないでしょうか。
・管理者も管理される人にも、納得の一冊
■管理者
・なんでホウレンソウしないんだよ
・もっと「自発的にやれ」よ
・なんでそんなにバッファとってるの
・「管理」しすぎてないかな。。
■管理される者
・こんなに報告あげる必要あるのかよ
・進捗管理だけながら機械でもできるよ
・また放置管理プレーはじまった
・報告したのに、「僕聞いてない」ってひどい
・君の考えがしりたいといいながら、あなたの考えとの答えあわせでしょう。
仕事を行っていると一度は、管理に対して不満をもったことはあるはずです。
それに対して、プロジェクトマネージメントのプロ 岸良氏と組織行動論のプロ
金井教授が、組織と管理について、問題点をあぶりだし解決策の提案を
わかりやすい言葉でしめしてくれています。
この本は、ユーモアにもあふれています。
例えば
P51 「見える化」に対する警鐘をならす...ストリップショー工場
P105 任せられるとついつい上に目がいってしまう...ヒラメパラドックス
きっと、読んでいく内に「あるある」と頷きながら読む場面も多いでしょう
タイトルは「過剰管理」となっていますが、「放任」管理を含めて、
「管理」 「マネージメント」 「組織」という言葉に違和感、嫌悪感
疑問を抱いている方に気軽に、読んでいただきたい一冊だと思います。
・過ぎたるはなお及ばざるが如し
先日、この本のタイトルである「過剰管理の処方箋」で、著者のお一方である岸良氏が講演を行われました。
講演は非常に盛況でした。
岸良氏の講演は、時折聴衆に対して質問を投げかけながら進むのですが、ここぞ!という時に質問をするタイミングが圧巻です。
書籍でも時折読者に対して質問を投げかけながら、過剰管理の何がいけないのか、どうやって解決するかを極めて論理的に書かれています。
CCPM(クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント)でもこの本の処方箋でも行う事はごく当たり前の事なのですが、その当たり前の事を「どのようにすべきか」という観点で書かれている点が凄い事だと思います。
最後に、この本を読んでCCPMに興味を持った方は、是非岸良氏のセミナーを受講することをお勧めします。