・”ゆるさ”を伝えるのに”硬く”てどうする?
『流行り出しているいま、すぐに出版しないと!』
という日経BPの勇み足感あふれる構成。
日経オンラインでの記事に加筆したものを
ざっくりまとめて出版したもの。
・十名の論者の認識の差異が一望できる
と好意的にとることも出来るし
その面もある。
twitterに対して肯定的な意見だけでなく
否定的な意見も採り上げているのは好感が持てる。
しかし、それなら最初の段階で、どの立場で
論を展開するかの位置づけを提示して欲しかった。
5章は否定的な立場の論述なのだが
これまでずっと肯定的な論が続いたので
その流れで読み出してしまい、混乱した。
それからもう一つ。
多くの論者が、twitterを
”質にこだわらない気軽さ”
”ゆるさ” であるとしているのにもかかわらず
この本自体が、非常に硬い文章だ。
”ゆるさ”を誌面で伝えるような努力は全くない。
例えばPC画面上で 繰り広げられる
緩いコミュニケーションを見せて 雰囲気を伝える
っていうような努力を全くしていない。
普段、パソコンを使わずネットの住民でない
おじさんたちに
”知識としてだけ”知ってもらおうっていう感じかな。
メディア論に終始してて、
読んでも、”twitterやりたい!”
っていう気分にはならない。
・TWITTERの裏を読めるか
TWITTERを理解しようと思うのに、役立つと思われる。
大事なのは、書いているのがマスメディア系の人達で、情報自体がお金になる人達かもしれない。
TWITTERも含めて、その情報に踊らされないようにするにはどうしたらいいかが読み込めないと、読んだ価値がないかもしれない。
・10名の論者の認識の差異が一望できるのがいい
仕事上の必要があってTwitterについて調べている。本書で5冊目。10名のTwitter推進者による論文集である。元ネタは2009年7月から8月に掲載された日経ビジネスオンラインの連載記事とのこと。実業家、ジャーナリスト、学者、開発者とさまざまな立場からTwitterの「衝撃」を論じている。
たとえば、実業家の枝洋樹氏にとっては「今まさに起こっていることを共感する場」をつくりだすコミュニケーションツールである。ITジャーナリストの林信行氏にとっては「自分に関連のある情報、重要な情報を検索できるニュースリーダの本命」である。また雑誌編集者だった小林弘人氏にとっては「ジャーナリズムで儲けてきた新聞社、通信社の儲けの仕組みを崩壊させる」テクノロジである。
特に興味深かったのは、武田徹氏の次の一節。
「Twitterは、世界をひとつの声で同時につなぐ、巨大なミサのような信仰の空間をつくった」p116
それぞれの論者の認識の差異が一望できるのがいい。ただし論文が短くエッセンスが凝縮されているので、まったく使ったことがない人がこれを読んでもチンプンカンプンかもしれない。まずは、津田氏のTwitter社会論 ‾新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)などで具体例を詳しく確認してから、本書を読むことをお勧めする。
・「つぶやき」の革命論、メディア論からテクノロジーまで硬派な考察本
話題のトゥイッターをさまざまな観点からさまざまな論者が考察した
バランスの取れた「マジメで硬派な考察の」良書です。
導入は、トゥイッターのコミュニケーション論で、秀逸なのは、
林信行氏の「トゥイッターとiPhone」が世界の人々のコミュニケーション
活動に、いかに革命をもたらしたか?が平易に説明、考察されていて大変
おもしろいです。
メディア論は、ちょっと抽象論やトゥイッター絶賛に向かったきらいが
あり、先走りな感じありますが、こういう観点も必要。
「Twitterを支える技術の現在と未来」は、1ユーザとしてあまり意識する
ことがないシステム面の話がかなり詳細に書かれていて、テクノロジーと
しても興味深いが、「やはりクラウドなんだな」という感じもあって、
ITシーンの急激な進化を如実に知ることができ、「まだまだテクノロジー
ブレイクスルーが人類の行動を世界規模で変化させる」力や分野があるの
だな、と感慨深いです。
・ニュートラル
twitterを持ち上げることなく、おとしめることなく、バランスがとれている。
twitterさえあれば将来バラ色!という人には不向きだけれど、
うさんくさい、でも、これを評価する人は何がいいと思ってるのか、
を知るにはベストな一冊。