Amazonカスタマーのレビュー
・面白いのですが…
文庫版の孤独のグルメに載っていた一編、
「釜石の石割桜」がとても良かったので、
同様の面白さを期待して買ってみたのですが、
「生野菜定食、焼肉付き」を始めとして、
良くない店に対しての感想も意外に多かったです。
「悪魔のマダム」などは本当に救いがなくひどい店の話で、
作者の、飯屋で誰しもが感じる日常的・庶民的なこだわりを
独特の語彙を持って表現する力が優れているだけに、
マズさに関する描写もかなりのもので、読んでいて気分が沈んでしまいます。
逆に、その表現力を美味しさへの描写へ向けた話は素晴らしく、
「朝のアジ」「タンメンの日」「かっこ悪いスキヤキ」などは
読み終えた後、実際にそれらを食べに行ってしまうほど胃袋を刺激してくれるので、
基本的にはオススメできる本ですが、批判的な話より
下町の定食屋の何気ない人情味を捕らえた話をもっと読みたかったな、と思います。
・「食」にまるわる宝珠の物語
食べる事は生きる上で誰もがほぼ毎日体験するイベント。人それぞれ食べ物の好き嫌いがあるように、料理、食材に対する独自のエピソードのひとつやふたつは持っている。だからこそこの本に書いてある様々なエピソードは読んでいて単純に楽しいし、自分はどうだったかを思い起こさせる。別に高級なお店や希少な食材が取り上げられている訳ではない。何処にでもある何気ない食事にこれだけ敬意を払い、感情をアウトプットできる作者にただただ感服。
・ちょっと残念かも…
最初にamazonのおすすめリストに出てきたものを、勝手に私が未読のコミックスと勘違いしていたことをお詫びいたしておきます。
表紙の雰囲気から「喰い改めて候」の類似作品と(勝手に)思い込んでいたこともある。
内容が、すでに漫画原作で使われた元ネタとダブるものがあるためか、どうしても読後感の厚みがない。やはり、あれは絵が伴ってこその作品だったんだなと今更のように納得しています。これがまだ、小説仕立てだとまた違った様な気もするのだが…。
申し訳ない話かもしれませんが、氏の原作のコミックを読まれている方は、特に進んで買う必要の無い本という印象です。
・要注意
漫画(孤独のグルメ)を先に読んでから購入しました。
内容がいじましく、コミックにある食事を純粋に楽しむ姿が感じられません。
読後感は、爽やかではありません。
・活字版『孤独のグルメ』
当書籍はマンガではなく、文字だけのエッセイ的内容。
読むことで食に対するうんちくや美味しいお店の情報が得られるわけではないのだが、著者の独特の感性が独特の筆致によって鮮やかに描かれている。変なこだわりも多いのだが、時として「ああ、こういうことってあるよな」と感性を共感できれば、妙な快感を覚えるほど。
文字だけで、まずいものはよりまずく、また美しい情景はより美しく浮かんでくる描写も秀逸。
マンガ『孤独のグルメ』で色々気になって気を使いすぎてしまう主人公が『野武士』のようにドカッと構えて自分のやりたいことを堂々とやれたら・・・と理想を思い描くシーンがあるが、その理想は作者久住氏の理想そのものであるらしい。多分大多数の日本男児の理想でもあるのだろうと思う。