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「私は今より一層淋しい未来の私を我慢する代りに、淋しい今の私を我慢したいのです。自由と独立と己れとに充ちた現代に生れた我々は、その犠牲としてみんなこの淋しみを味わわなくてはならないでしょう。」文明開化によって日本人は自由と独立を得たものの、その結果みな自己本位(己れ)の道を突き進むことを余儀なくされる。「先生」の自己本位は悟道を求める友人「K」を死に至らしめたことにより、いよいよ行き場なく、自己本位の孤独と淋しみのなかで懊悩する。近代日本人の悲劇のかたち。
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現実にはなかなかいそうもない実直で生一本の人「坊っちゃん」と、現実にはうじゃうじゃいるであろう知識を薄汚く使い姦計を謀る「赤シャツ」や「野だいこ」のような人間との対決の物語。現実に生息する薄汚い人間を打擲する結末が痛快。
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『硝子戸の中』などでは見ることの出来なかった漱石の暗い部分を映し出した自伝的小説。本当に自伝的小説であるならば、ここに描かれている自己批評の冷静な視線が凄いと思う。話は、養父との金銭問題を主軸に、主人公健三と、養父母、妻、妻の父、父、姉夫婦らとの酷薄な関係を描いている。
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自己と他者が強く切り分けられた近代において、「他(ひと)の心が解る」ようなことはない。この自己の孤独な世界から抜け出るために、漱石は登場人物一郎の言葉を借りて、神の世界、絶対の世界、自他の無い世界へと進もうとするが、そうするほどにその世界は遠ざかる。自意識に溺れ行き場の無い近代の人間の低回が描かれる。
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文明開化によって西洋文明が日本の皮相を覆い、金欲主義にとりつかれる人々がはびこった。漱石は反発して、「野分」の白井道也にこう言わしめる。「凡ての理想は自己の魂である。うちより出でねばならぬ。奴隷の頭脳に雄大な理想の宿りようがない。西洋の理想に圧倒せられて眼がくらむ日本人はある程度に於て皆奴隷である。奴隷を以って甘んずるのみならず、争って奴隷たらんとするものに何等の理想が脳裏に醗酵し得る道理があろう。諸君。理想は諸君の内部から湧き出なければならぬ。諸君の学問見識が諸君の血となり肉となり遂に諸君の魂となった時に諸君の理想は出来上がるのである」。人は自己の理想を追わねばならぬ。
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『坑夫』は、漱石を訪ねた青年が語った事実を作品としたものである。作品中で漱石はこう語る。「纏まりのつかない事実を事実のままに記すだけである。小説の様に拵えたものじゃないから、小説の様に面白くはない。その代り小説よりも神秘的である。凡て運命が脚色した自然の事実は、人間の構想で作り上げた小説よりも無法則である。だから神秘的である」。私は、地下深く光の届かない穴倉で働く者もいるという厳然とした事実、その運命の神秘に驚嘆した。
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自意識の穴倉のなかで混迷する須永やそれをとりまく人々の物語が、友人敬太郎の探偵的視点によって語られる。物語は展開すれど出口はなく、てい徊するのみ。
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夢想は子供の特権であるが、夢想に取り付かれた子供たちはときに恐るべき存在となる。
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進歩発展などという世迷言で誑かし誑かされている都市に住む不耕貪食の民(耕さずに貪り食う人々)を滅ぼすべく、都市を潰さねばならない。都市は自然の大循環から離脱した虚想でしかなく、それに現を抜かし自らが生きる天地を省みることなく空ろな生を歩む都市住民は自身の命を蝕むまで、自然を破壊し、環境を汚染し、動植物を撹乱し続けるだろう。この書は、人間の命の根源である食物を支える農民の、文明に対する反乱の書であり、革命を期する書である。有史以来から搾取され続けてきた農民の呪詛の言葉と、大地に根ざした根源的な提言に充ちている。
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人と人との間には、時間の隔たりや空間の隔たりがあり、人はその隔たりを超えて交歓可能なのだろうか。作中人物たちはずっとそういうことを考えている。彼らは、静かだが極めて複雑な人という存在が発する「音」によって、互いに響きあっている。読みながらおのずと考えさせられる一作。
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