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「味読できる参考書」とでも言うべきものが、世の中にはある。例えば英語の佐々木高政や江川泰一郎、(受験参考書ではないが)数学の大村平といった人たちが書いた、「高校生にも理解できる内容でありながら、深い学問的な注釈もほどこされ、はからずも書き手のユーモアのセンスまでにじみ出てしまう」といった感じのものだ。
これもそのような参考書のひとつ。英語の5文型を基に、それを24文型に細分化して説明しているが、これが使える! 一例を挙げれば、同じSVO型の動詞であっても、「動名詞を目的語に取る」パターンと「不定詞を目的語に取る」パターンとを、はっきり「別の文型」として(動詞をグルーピングして)考えていれば、会話や作文で戸惑うことも激減するだろう。
単なる表面上のテクニックにはとどまらない、きわめて実用性の高い「パターン分類」であり、作文だけではなく会話や読解にも効果がある。
著者の死により1973年以降、改訂版が出されていないのは残念だが、「英語を使うときはどのように考え、どう語句を配置すべきか」という根本的なところをしっかりと押さえたい方には、ぜひオススメしたい。
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